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認知症対応型デイと一般デイの違い
症状で使い分ける

同じ「デイサービス」でも、制度上は「通所介護(一般デイ)」と「認知症対応型通所介護(認知症デイ)」の2つに分かれます。対象者・定員・人員・費用の違いと、症状の進行度による使い分けを整理しました。

2つのデイは制度上別サービス

介護保険制度上、「デイサービス」と呼ばれるサービスは主に次の2つに分かれます。

認知症デイは地域密着型サービスのため、原則として施設所在地の市町村住民しか利用できません。引っ越すと継続利用できないケースがあり、契約時の確認が必要です。

対象者の違い

項目一般デイ(通所介護)認知症デイ
対象要介護1〜5(要支援は介護予防通所サービスで別枠)要支援2 または 要介護1〜5で、認知症の診断がある方
認知症診断必須ではない必須
若年性認知症受入可(事業所により差)若年性認知症利用者受入加算(60単位/日)あり

認知症診断がまだの段階で「認知症かも」と気になり始めた方は、まず一般デイを使いながら主治医の診断を受ける流れが一般的です。診断が出てから認知症デイへ切り替える、または併用する形もあります。

定員・人員・環境の違い

項目一般デイ認知症デイ
定員事業所により幅広い(小規模〜大規模型)単独型・併設型12人以下、共用型3人以下
職員配置利用者15:生活相談員1、介護職員は利用者ごとに基準利用者3:1以上の職員配置
認知症ケア研修任意認知症介護実践者研修修了者等の配置が基準
空間の特徴広いフロア、集団活動中心少人数・家庭的な雰囲気、個別対応中心

認知症デイは少人数制と専門的なケアが最大の特徴です。BPSD(行動・心理症状)が出やすい方、大人数の環境に馴染めない方、個別対応が必要な方に向いています。

費用の違い(2024年度改定後)

認知症デイは専門的ケアを提供する分、基本単位が一般デイより高めに設定されています。令和6年度改定の単位数は令和8年度改定でも変更されていません。

通常規模型・通所介護(一般デイ)、7〜8時間利用

認知症対応型通所介護(単独型)、7〜8時間利用

1単位10.00〜11.40円換算で、1割負担の方なら1回あたりの基本単位分で、一般デイが約660〜1,150円、認知症デイが約990〜1,430円。ここに送迎加算、入浴介助加算、個別機能訓練加算、処遇改善加算などが乗ります。

処遇改善加算は、認知症対応型通所介護では令和8年6月からの加算Ⅰロで最大23.6%となります。

出典:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(令和6年度介護報酬改定)/ 通所介護費・認知症対応型通所介護費。

症状別の使い分け

認知症の初期(MCI〜軽度)

見当識や短期記憶の低下はあるが、日常生活は概ね自立。一般デイで社会交流を維持するほうが生活リズムを保ちやすいことが多く、大人数の活動も刺激になります。地域密着型通所介護(定員18人以下の小規模デイ)も選択肢です。

中期(BPSDが見られる時期)

介護拒否、帰宅願望、興奮などが出始めたら認知症デイへの切り替えを検討。一般デイでは「他の利用者に影響する」と断られるケースも。認知症デイの少人数制なら個別対応で安心。

中重度(見守りが常時必要)

自立した活動が難しくなり、安全確保が最優先となります。認知症デイの継続利用が基本ですが、疲労感や体調変化が強ければ回数調整ショートステイとの組み合わせを検討します。

重度(身体機能も低下)

歩行困難・寝たきり近くなると、通所自体が負担になります。訪問介護・訪問看護への切り替えや、施設入所(グループホーム・特養など)の検討時期です。

併用・移行の実際

併用パターン

同一日は不可ですが、曜日ごとに使い分ける併用は可能です。例:月水金は認知症デイ、火木は一般デイ(身体機能訓練重視)、といったプラン。ケアマネジャーに「本人の状態に合わせて組み合わせたい」と伝えて調整してもらいます。

移行パターン

一般デイ→認知症デイへの移行は、BPSDが出始めた時期や、本人が「他の利用者に気後れする」様子を見せるときがサイン。見学・体験利用を経て、本人と事業所双方の適応を確認してから切り替えます。

地域の事業所数の違い

認知症デイは全国的に事業所数が少なく、地域によっては候補が1〜2ヶ所しかないこともあります。認知症ケアの地域力マップで地域ごとの提供体制を確認できます。

この記事の要点

  • 認知症デイは地域密着型サービス・施設所在地の住民限定
  • 少人数(12人以下)・専門研修修了職員配置が特徴
  • 基本単位は一般デイの1.5倍ほど高い(個別対応の対価)
  • 初期は一般デイ、BPSD出始めで認知症デイへ切り替えが基本パターン
  • 曜日ごと併用も可能。ケアマネと相談して本人の状態に合わせる
  • 事業所数が少ない地域もあるため、早めの候補確保が安心

よくある質問

認知症の診断がまだ出ていないと認知症デイは使えない?
原則として認知症の診断が利用条件です。主治医または認知症専門医の診断書が必要になります。診断前の段階で「認知症かも」と感じる方は、まず一般デイを利用しながら、もの忘れ外来等で診断を受ける流れが一般的です。診断が出たら認知症デイへの切り替え・併用を検討できます。
認知症デイと認知症グループホームは何が違う?
認知症デイは「日中の通所」、認知症グループホームは「共同生活(入居)」です。グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は9人ユニットで24時間の介護を受けながら生活する施設で、在宅介護を継続できなくなった方の選択肢。デイはあくまで日中利用で、夜は自宅に戻ります。
認知症デイは他市への引っ越しで継続できない?
原則として、施設所在地の市町村住民しか利用できない地域密着型サービスです。引っ越すと継続できないケースがほとんどですが、転居先市町村と施設所在地市町村の協議により継続が認められるケースもあります。具体の取扱いは事業所・ケアマネに確認してください。
一般デイで認知症の人を受け入れてもらえないことはある?
介護保険法上は「正当な理由なくサービス提供を拒否してはならない」とされていますが、事業所の体制で安全確保が困難な場合(重度のBPSD、徘徊、暴言・暴力が頻繁など)は受入困難とされるケースがあります。認知症デイへの切り替えを促されたら、それは本人にとって合った環境への案内でもあります。
料金が高くて認知症デイを続けるのが難しい。軽減制度は?
認知症デイにも高額介護サービス費の対象となり、月々の自己負担が上限(一般区分44,400円、住民税非課税24,600円等)を超えた分は払い戻されます。食費・送迎費等の実費は対象外ですが、基本単位・加算部分はカバーされます。市町村の介護保険担当窓口で確認できます。

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出典:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(令和6年度介護報酬改定)/ 通所介護費・認知症対応型通所介護費/「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」/ 認知症対応型通所介護の人員・定員基準。本記事の単位数・要件は2026年4月時点。
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