通所系サービス比較

デイサービスとデイケアの違い
費用・対象者・使い分けを解説

名前が似ているため混同されがちな2つのサービス。しかし目的も費用も実は大きく異なります。厚労省データに基づき、2024年改定後の単位数と実際の使い分けを整理します。

基本の違い

デイサービスとデイケアは、どちらも「日帰りで施設に通うサービス」ですが、制度上は別のサービス類型です。

項目 デイサービス
(通所介護)
デイケア
(通所リハビリ)
目的生活機能の維持・社会交流・家族レスパイト身体機能の回復・維持(医学的リハビリ)
提供施設デイサービスセンター・特養併設等病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院併設
医師の関与不要必須(主治医の指示が必要)
リハビリ職機能訓練指導員1名以上(看護師・柔整等でも可)PT・OT・ST が常勤
対象者要支援・要介護認定者要支援・要介護認定者
滞在時間3〜4時間、6〜7時間、7〜8時間等1〜2時間、3〜4時間、5〜6時間等
根拠ケアマネのケアプラン主治医の指示+ケアプラン
ひと言でまとめると
デイサービス=「社会参加・生活機能維持の場」
デイケア=「医療的リハビリを受ける場」
名前は似ていますが、医療との距離が大きく異なります。

サービス内容の違い

デイサービス(通所介護)の典型的な一日

  1. 9:00〜 送迎車で施設へ到着、健康チェック(血圧・体温測定)
  2. 9:30〜 入浴介助(本人の状態に応じて機械浴・介助浴)
  3. 10:30〜 機能訓練(柔道整復師・看護師等による体操・筋力訓練)
  4. 12:00〜 昼食・口腔ケア・午後は休憩
  5. 13:30〜 レクリエーション(カラオケ・ゲーム・工作等)
  6. 15:00〜 おやつ・体操
  7. 16:00〜 送迎車で自宅へ

主眼は生活機能の維持・閉じこもり防止・介護者の休息(レスパイト)。認知症の方が多い事業所では認知症対応型デイサービス(定員12名以下)もあり、一般のデイより手厚いケアが受けられます。

デイケア(通所リハビリ)の典型的な一日

  1. 9:00〜 送迎車で施設(病院・老健等)へ到着、健康チェック
  2. 9:30〜 医師の診察・リハビリ計画の確認
  3. 10:00〜 PT・OT・ST による個別リハビリ(20〜40分)
  4. 11:00〜 集団リハビリ・筋力訓練・歩行訓練
  5. 12:00〜 昼食
  6. 13:00〜 入浴介助(医療対応下での入浴)
  7. 14:00〜 午後のリハビリ・自主訓練
  8. 15:30〜 休憩・おやつ
  9. 16:00〜 送迎車で自宅へ

主眼は医学的根拠に基づいたリハビリテーション。退院直後の方、骨折後の方、脳血管疾患の方など、病院と在宅の中間期に利用するケースが多いです。

費用比較(2024年改定後)

通所介護(7〜8時間・通常規模)

要介護度 単位数(1日) 1割負担の目安
要介護1658単位約658円
要介護2777単位約777円
要介護3900単位約900円
要介護41,023単位約1,023円
要介護51,148単位約1,148円

通所リハビリ(5〜6時間・通常規模)

要介護度 単位数(1日) 1割負担の目安
要介護1762単位約762円
要介護2903単位約903円
要介護31,046単位約1,046円
要介護41,215単位約1,215円
要介護51,379単位約1,379円

※ 1単位10〜11.40円の地域差あり。上記は通常規模型事業所(旧・事業所規模の区分)の基本単位数。大規模型はやや低く、延長加算等で増額する場合があります。食費・日用品費は別途実費です。

実費がかかる項目(両方共通)

どちらを選ぶべきか

デイサービス(通所介護)が向いている方

デイケア(通所リハビリ)が向いている方

判断の目安
「病院で受けていたリハビリを続けたい」→ デイケア
「家族の休息と本人の気分転換が目的」→ デイサービス
「認知症の進行を遅らせたい」→ 認知症対応型デイサービス
「要介護3以上で入浴介助が目的」→ デイサービス(機械浴のある施設)

両方併用するケース

デイサービスとデイケアは併用可能です。典型的なパターンを紹介します。

退院直後のパターン

機能回復期はデイケアで集中リハビリ、維持期に入ったらデイサービスへ移行という流れが一般的です。

認知症+身体機能低下のパターン

身体面と認知症面の両方に課題がある方は、それぞれのニーズに特化した施設を組み合わせると効果的です。

家族の介護負担軽減パターン

家族が仕事を続けながら在宅介護する場合、通所系サービスを軸にショートステイも組み合わせて介護負担を分散します。

支給限度額の範囲内で
要介護1: 月約16.7万円まで、要介護3: 月約27万円まで、要介護5: 月約36.2万円まで(支給限度額)。この範囲内で訪問介護・訪問看護・デイサービス・デイケア・福祉用具レンタル等を組み合わせます。超過分は全額自己負担になるため、ケアマネと一緒に配分を計画します。

全国の事業所数

2024年10月1日時点の厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」によると、通所介護(地域密着型を含む)は全国約43,506か所、通所リハビリテーションは約7,737か所。デイサービスはデイケアの約6倍の密度で展開されています。

ただし、人口あたりの事業所数には地域格差があり、デイサービスは最多(沖縄市33.6/万人)と最少(胎内市1.9/万人)で約17倍の差があります。デイケアは老健や病院併設のため、地域によって利用しやすさに差があります。

デイサービスの地域密度マップを見る →

よくある質問

デイサービスとデイケアの最も大きな違いは何ですか?

最大の違いは「医学的リハビリの有無」です。デイサービス(通所介護)は入浴・食事・レクリエーション・機能訓練が中心で、リハビリは機能訓練指導員による簡易的なものです。デイケア(通所リハビリ)は医師の指示書に基づき、PT・OT・STが医学的リハビリを提供します。退院直後や骨折後など専門的リハビリが必要な方はデイケア、社会参加・家族レスパイトが主目的ならデイサービスが向いています。

費用はどちらが安いですか?

同じ要介護度・同じ時間帯で比較すると、デイケアのほうが1日あたり数十〜100単位程度高めです。2024年改定後の通常規模・7〜8時間で、通所介護は要介護1が658単位、通所リハは要介護1が762単位。1割負担で約658円と762円で、1日あたり100円程度の差があります。年間で見ると約3〜5万円の差になります。

両方を併用できますか?

併用可能です。たとえば「週2回はデイケアで本格リハビリ、週1回はデイサービスで入浴と社会参加」のように組み合わせられます。支給限度額(要介護度別の月額上限)の範囲内に収める必要があるため、他のサービスとの配分はケアマネジャーと相談してください。退院直後はデイケアを集中利用し、回復に応じてデイサービスへ移行するパターンが一般的です。

デイケアを利用するには医師の指示が必要ですか?

デイケア(通所リハビリ)の利用には主治医の指示が必要です。病院・老健・介護医療院に併設されている施設が中心で、医師が利用者のリハビリ計画に関与します。デイサービス(通所介護)には医師の指示は不要で、ケアマネジャーのケアプランに基づいて利用できます。

認知症の親に向いているのはどちらですか?

認知症の軽度〜中等度の方には、認知症対応型通所介護(少人数制のデイサービス)が向いているケースが多いです。12人以下の少人数で、なじみの関係を作りやすく、環境変化に敏感な認知症の方でも安定して通いやすい設計です。一般のデイサービスでも認知症加算を算定している事業所があり、見学時に対応力を確認してください。身体リハビリ中心ならデイケアも選択肢です。

要支援でも利用できますか?

要支援1・2の方も利用可能ですが、「介護予防通所介護」または「介護予防通所リハビリ」としての扱いになり、月額定額制の料金体系になります(要介護者の1日単位制と異なる)。要支援1は月約1,700単位前後、要支援2は月約3,600単位前後で、回数に上限があります。詳細はケアマネジャー(地域包括支援センター)に確認してください。

まとめ

デイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリ)は、名前は似ていますが目的が大きく異なります。デイサービスは社会参加・家族レスパイトが主、デイケアは医学的リハビリが主です。

退院直後や骨折後はデイケア、社会参加・閉じこもり防止はデイサービス、という使い分けが基本。併用や時期による切り替えも可能なので、ケアマネと相談しながら本人の状態に合わせて組み立ててください。

出典・参考
・厚生労働省「指定居宅サービス介護給付費単位数等」(2024年4月1日改定)/ 通所介護・通所リハビリ 基本単位数
・厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査(令和6年)」/ 通所介護・通所リハビリ 事業所数
・厚生労働省「認知症対応型通所介護」制度/ 定員12名以下
全数値は2026年4月時点で確認したものです。利用時は最新情報をケアマネジャーにご確認ください。

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