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施設入居と医療ニーズ
胃ろう・吸引・インスリンの受入可否

「胃ろうだから特養に入れない」は一部誤解。近年は研修を受けた介護職員が医療ケアを実施する施設が増えています。医療ケア別の対応可能施設、確認すべきポイント、看護師配置の実態を家族向けに整理しました。

医療ケアを分類して考える

医療ケアと一言でまとめても、施設で対応できる範囲は幅があります。大きく3層で整理しておくと、施設探しがしやすくなります。

層1:多くの施設で対応可能

層2:施設により対応差が大きい

層3:対応できる施設が限定的

層1は多くの施設で可、層3は介護医療院・療養病床レベルが必要、という大枠で考えるのが出発点です。

医療ケア別の対応施設

医療ケア対応しやすい施設
喀痰吸引介護医療院・特養(研修修了職員配置)・介護付き有料(一部)・看多機
経管栄養(胃ろう)介護医療院・特養・介護付き有料(一部)・看多機
経鼻経管栄養介護医療院・一部の特養・看多機
インスリン注射看護師が医療行為として実施(24時間看護体制のある施設)
在宅酸素療法多くの施設で継続管理可
膀胱留置カテーテル多くの施設で管理可
人工呼吸器介護医療院・療養病床・看多機(対応実績のある所のみ)
中心静脈栄養介護医療院・療養病床

同じ施設種別でも個別の対応可否は施設ごとに違います。入居候補の施設には必ず具体的に確認を。

看護師配置の読み方

看護師の配置状況は、医療ケア対応力の最大の指標です。

看護師の配置時間帯

看護師不在時の対応

ポイント:「看護師24時間配置」を明示する施設は、医療ケア対応力が高い施設の印。月額費用に反映されることが多いですが、医療ニーズがある方には安心材料になります。

認定特定行為業務従事者の研修制度

平成24年4月施行の社会福祉士及び介護福祉士法改正により、研修を受けた介護職員が医師の指示・看護師の指導のもとで喀痰吸引・経管栄養を実施できる仕組みが整いました。

制度の概要

家族が確認するポイント

この制度により、医師・看護師に頼らずとも介護職員による医療ケアが可能になり、特養・グループホーム等での受け入れが広がっています。

施設選びの判断軸

医療ケアの安定性

同じ「対応可」でも、安定した実施体制が組めている施設とそうでない施設があります。「対応実績はあるが特定の職員しかできない」「看護師が夜間不在の時は家族対応になる」等の条件は事前確認を。

医療ニーズ増加時の継続性

入居時は軽度の医療ケアでも、病状進行で必要ケアが増えることがあります。「対応可能な医療ケアの範囲」を施設に聞き、今後想定される範囲をカバーできるか判断を。

協力医療機関の近さ

急変時に搬送する病院との距離・連携内容は重要です。日常の定期往診・発熱時対応・救急搬送判断基準を確認。

費用との兼ね合い

医療対応が手厚い施設は月額費用が高めになります。介護医療院は特養と比べて月額5〜10万円程度高い傾向。本人の医療ニーズと家計のバランスで判断を。

この記事の要点

  • 医療ケアを層1(軽微)/層2(施設差大)/層3(限定施設のみ)で分類
  • 胃ろう・吸引は介護医療院・看多機・一部の特養・介護付き有料が対応
  • 人工呼吸器・中心静脈栄養は介護医療院・療養病床レベル
  • 看護師配置時間帯が医療対応力の最大指標
  • 認定特定行為業務従事者制度で研修修了介護職員による吸引・経管栄養が可能に
  • 入居時だけでなく「将来の医療ケア増加」への継続性を確認

よくある質問

胃ろうだから特養に入れないと言われました
一部誤解です。特養でも胃ろう管理に対応している施設は増えています。認定特定行為業務従事者の配置、看護師配置時間帯、協力医療機関との連携で対応可。複数の特養に問い合わせ、「経管栄養の方の受入実績はありますか」と直接聞いてみてください。対応可の施設は必ず見つかります。
インスリン注射が毎食前に必要です
インスリン注射は医療行為で、看護師の実施が必要です。そのため24時間看護体制の施設(介護医療院・一部の介護付き有料老人ホーム等)が望ましい選択。看護師日中常駐の施設でも、夜間帯のインスリン注射が必要な場合は対応困難なケースが。具体的な1日の投与タイミングを伝えて確認しましょう。
気管切開していて頻回の吸引が必要です
気管切開部の吸引は一般の口腔・鼻腔吸引より医療的難易度が高く、対応できる施設は限定されます。介護医療院・療養病床・看護体制が手厚い介護付き有料老人ホーム等が候補。介護医療院が最も安心できる選択肢ですが、施設数が限られるため地域差が大きい。医療ソーシャルワーカーに相談を。
入居時は元気だが将来医療ケアが必要になるかも
契約時に「医療ニーズが増えた時の対応方針」を必ず確認しましょう。看取り対応が可能な施設なら、多くの医療ケアもカバーされる傾向。「医療ニーズが対応範囲を超えたら退去」という施設か、「施設内で対応を継続する」施設かで長期展望が変わります。
医療ケア可能な施設はどこで探せる?
厚生労働省「介護サービス情報公表システム」で、施設の看護師配置・医療連携体制を確認できます。「訪問看護・訪問診療を提携している住宅型有料老人ホーム」等、外部医療との連携で対応する施設も。主治医・医療ソーシャルワーカー・ケアマネジャーから紹介を受けるのが最も確実です。

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出典:厚生労働省「介護職員等による喀痰吸引等の実施のための研修」制度/「社会福祉士及び介護福祉士法」第48条の2(喀痰吸引等業務)/ 介護医療院の人員基準(医師・看護職員配置)/ 介護保険法「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」。本記事の対応可否は一般的な傾向で、個別施設の実態は必ず事業所にご確認ください。
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