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介護施設の種類と違い
特養・老健・サ高住・有料老人ホーム比較

特養、老健、サ高住、有料老人ホーム、グループホーム、介護医療院 — 名前は似ていても制度上はまったく別の施設です。運営主体・入居条件・費用・サービス内容を、厚労省・国交省の一次情報で整理しました。

全体マップ — 介護保険施設・特定施設・住宅系

高齢者向けの住まい・施設は、制度上ざっくり3つの系統に分かれます。

さらに地域密着型サービスとして、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)があります。

介護保険施設(特養・老健・介護医療院)

特養(特別養護老人ホーム/介護老人福祉施設)

老健(介護老人保健施設)

介護医療院

出典:厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査」(2024年10月1日時点)、厚生労働省「介護医療院の開設状況等(令和6年4月1日時点)」。

特定施設(介護付き有料老人ホーム等)

特定施設とは、厚生労働大臣から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。介護サービスを包括的に提供する設計で、外部サービスを使わずに施設職員が介護を行います。

費用の目安:入居一時金0〜数千万円、月額15万〜30万円程度(施設による幅が大きい)。特養と比べて料金は高めだが、入居待ちは少ないのが一般的です。

住宅系(サ高住・住宅型有料)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

住宅型有料老人ホーム

サ高住と住宅型有料の違い:サ高住は「住宅」として建築基準・契約形態が定められており、入居者保護が比較的手厚い。住宅型有料は老人福祉法上の「施設」で、契約内容や運営の質にばらつきが大きい傾向があります。

出典:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の現状等」、厚生労働省「有料老人ホームについて」。

地域密着型(グループホーム)

関連記事:グループホームの地域差分析で、全国の定員格差を詳しく解説しています。

一覧比較表

施設種別 入居条件 月額費用目安 看取り 待機
特養原則要介護3以上8〜15万円○(対応多い)地域により長い
老健要介護1以上・在宅復帰目指す8〜14万円△(長期入所前提でない)比較的短い
介護医療院医療的ケアが必要10〜20万円地域で差
介護付き有料自立〜要介護515〜30万円+一時金少ない
住宅型有料自立〜要介護12〜25万円+介護費施設による少ない
サ高住60歳以上 または要介護認定を受けた60歳未満の方10〜25万円+介護費施設による少ない
グループホーム認知症・要支援2以上12〜20万円△(対応拡大中)地域による

※ 費用は食費・居住費・日常生活費を含む目安。地域・居室形態・所得・個別施設で大きく変動します。

状況別の選び方

費用を抑えたい・要介護3以上

まず特養を検討。所得が低い方は負担限度額認定で月額5万円台にできるケースもあります。待機が長い地域では、介護付き有料(低額帯)グループホームも並行検討。

退院後のリハビリが必要

老健が第一選択。在宅復帰を目的としたリハビリ期間を過ごしながら、病院と在宅の中間で体調を整えます。入退所判定は原則3か月ごとですが、リハビリ期間中に在宅のサービス体制(訪問リハデイケア)を整える時間として活用できます。

医療的ケア(吸引・経管栄養・人工呼吸器)が継続的に必要

介護医療院が現実的な選択肢。医師が常勤配置され、24時間対応の医療的管理ができます。療養型病床からの転換施設が多いため、地域差があります。

認知症があり、少人数の家庭的環境が合う

グループホーム。1ユニット9人以下の共同生活で、職員との関係も安定します。看取り対応は施設ごとに差があります。

経済的余裕があり、自分で選びたい

介護付き有料老人ホーム。価格帯・ロケーション・サービス内容の選択肢が広く、見学して選べます。ただし契約書の長期費用条項は必ずチェックを。

まだ元気だが将来が不安・1人暮らしが難しくなってきた

サ高住住宅型有料。自立した生活を維持しつつ見守りが入ります。介護が必要になったら外部の訪問介護・定期巡回型を併用する形です。

この記事の要点

  • 介護保険施設(特養8,621/老健4,214/介護医療院)は介護保険から直接給付
  • 特定施設(介護付き有料等)は包括介護、住宅系(サ高住8,296棟/住宅型有料)は外部介護
  • グループホームは認知症・地域密着型で1ユニット9人以下
  • 特養は費用低+待機長、有料・サ高住は費用高+即入居しやすいトレードオフ
  • 状況(要介護度・医療ニーズ・認知症の有無・経済余裕)で第一選択が変わる

よくある質問

特養の入居待ち期間は本当に何年もかかる?
地域により大きく異なります。2015年の要件厳格化以降、都市部でも以前ほどの長期待機は減りましたが、広域で見ると地域格差は今も深刻です。特養が足りない市ランキングで具体的な密度を分析しています。
入居一時金は必ず必要?
特養・老健・介護医療院・グループホーム・サ高住は原則不要です。介護付き有料や住宅型有料は施設により0〜数千万円まで幅があります。月払いのみの『前払金なし』プランを用意する民間施設も増えています。
介護度が進んだら施設を移ることになる?
施設の『特定施設』『介護保険施設』の指定や看取り対応力により変わります。住宅型有料・サ高住は重度化で外部介護費用が嵩むと退去を打診されることがあります。一方、介護付き有料・特養・介護医療院は重度化・看取りに対応する設計です。入居前の『退去要件』確認が重要です。
老健と特養は両方入れる?
同時に両方は入れませんが、時系列で『老健(リハビリ3か月)→在宅復帰→再度悪化→特養申込』のように移行するケースは一般的です。特養は申し込み時点で入所できなくても、待機中に他施設にいる間に順番が来ることもあります。
見学はどの施設で何件くらいすべき?
候補が絞れたら3〜5件は見学したいところです。同じ種別でも運営主体・スタッフ体制・雰囲気は大きく違います。特に介護付き有料・サ高住は見学の有無で後悔度が大きく変わります。見学時は食事・夜間の見守り体制・退去要件・看取り対応を必ず確認してください。

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本記事の施設数は厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査」(2024年10月1日時点)、サ高住数は国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」(2024年5月末時点)を一次情報として引用。費用目安は各施設制度の一般的なレンジで、個別施設では大きく変動します。
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