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在宅看取りを支える訪問看護
ターミナル期の24時間体制

「家で最期を迎えたい」を支える中核が訪問看護です。24時間対応体制、ターミナルケア加算、家族への支援機能——終末期に訪問看護が担う役割と、家族が知っておきたい実務を整理しました。

在宅看取りに訪問看護が不可欠な理由

在宅看取りは、訪問診療医(または在宅医)と訪問看護ステーションの連携で支えられます。医師は診断・処方・死亡確認の役割、看護師は日々の身体管理・症状緩和・家族ケアの役割を担います。

訪問看護が果たす主な機能は、症状の変化を早期に発見し医師に連携すること、苦痛症状(痛み・呼吸困難・不安)を緩和すること、家族に見取りの心構えと具体的ケア方法を指導すること、そして死亡時の連絡・エンゼルケアの支援です。

提供されるケア

症状緩和(疼痛コントロール)

日常的ケア

家族支援

多職種連携

主治医(訪問診療医)、ケアマネジャー、訪問介護・訪問入浴、薬剤師、歯科医師と密に情報共有。必要に応じて訪問頻度を増やし、24時間の緊急対応体制で支えます。

24時間対応体制加算

訪問看護ステーションが「24時間対応体制加算」を算定していれば、夜間・休日も電話相談・緊急訪問に対応します。終末期には必須の体制です。

介護保険の加算(2024年度)

医療保険の加算

算定していない事業所は夜間・休日対応が限定的で、看取り期のサポート力が違います。終末期の利用では24時間対応体制加算を算定している事業所を選ぶのが基本です。

出典:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(令和6年度改定)/「診療報酬点数表 訪問看護療養費」(令和6年度改定)。

ターミナルケア加算

死亡日および死亡日前14日以内に2日以上訪問看護を提供した場合、ターミナルケア加算が算定されます。看取り期の訪問看護の質を担保するための加算です。

介護保険

医療保険

要件として、本人・家族に対する説明・同意、多職種連携の記録、24時間対応体制の整備等が求められます。事業所にとって算定要件のハードルは高いため、算定実績の多い事業所は終末期ケアに熟練していると見なせます。

看護小規模多機能との関係

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は、訪問看護+訪問介護+通い+泊まりを一体的に提供する地域密着型サービス。終末期の方にとって柔軟なケア体制を組める選択肢です。

ただし事業所数が少なく、地域によっては選択肢が限られます。一般の訪問看護ステーション+訪問介護+ショートステイの組み合わせでも同様の支援は可能です。

家族に必要な心構え

事前に決めておきたいこと

看取り期に必要な備え

気持ちの準備

看取り期は数日〜数週間続くことが多く、家族の体力・気力が消耗します。「疲れたら訪問看護師に相談する」「レスパイト(一時預かり)を活用する」「自分を責めない」——家族ケアの視点を持つことが、本人を支える力になります。

この記事の要点

  • 在宅看取りは訪問診療医+訪問看護の連携で実現
  • 症状緩和・日常ケア・家族支援・多職種連携が訪問看護の機能
  • 24時間対応体制加算を算定する事業所を選ぶのが基本
  • ターミナルケア加算の算定実績は事業所の熟練度の指標
  • 看多機はより柔軟な選択肢、ただし事業所数が限られる
  • 事前の方針確認・物品準備・家族の気持ちの準備が重要

よくある質問

在宅看取りの準備はいつから始める?
病気の進行度にもよりますが、終末期の見通しが見えた段階で、主治医・ケアマネジャー・訪問看護ステーションと話を始めるのが目安です。1〜3か月前からの準備で物品・体制・連絡網が整います。がん末期なら予後予測に基づいた時期設定が一般的です。
24時間対応の訪問看護ステーションはどこで分かる?
ケアマネジャーや主治医に紹介してもらうのが確実。「介護サービス情報公表システム」でも加算算定の有無が確認可能です。終末期利用を前提にするなら、ターミナルケア加算の算定実績があるかも併せて確認しましょう。
夜中に急変したらどうする?
まず訪問看護ステーションに電話。状態を報告し、必要に応じて緊急訪問を依頼します。並行して主治医(訪問診療医)への連絡を指示されることも。救急搬送は事前に家族で決めた方針に従います(蘇生処置を希望しない場合は搬送しない選択肢も)。
亡くなった時、すぐに救急車を呼ぶべき?
在宅看取りの場合、救急車は呼びません。訪問看護師または主治医に連絡し、医師が死亡確認します。救急車を呼ぶと病院搬送となり、警察の関与(異状死扱い)が発生することも。事前に家族で手順を共有しておくことが大切です。
本人が苦しむのを見るのが怖い
終末期の苦痛は、訪問看護と訪問診療医の連携で薬剤(鎮痛剤・鎮静剤等)により緩和できます。「苦しまないケア」がターミナルケアの主目的の一つ。家族が抱えている恐怖を訪問看護師に伝えれば、症状の見通しや具体的な対応方法を教えてくれます。一人で抱え込まないでください。

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出典:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(令和6年度改定)/ 訪問看護費・ターミナルケア加算・24時間対応体制加算/「診療報酬点数表 訪問看護療養費」(令和6年度改定)/ 訪問看護ターミナルケア療養費。本記事の内容は2026年4月時点。
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