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ケアマネ資格更新制の廃止|2027年改正で何が変わるか

2026年4月3日に閣議決定された介護保険法改正案により、ケアマネジャーの資格更新制が廃止される見通しです。廃止の背景、研修義務化の仕組み、現場への影響をわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  1. 更新制廃止の概要
  2. 現行の更新制度の問題点
  3. 廃止後はどうなるのか(研修義務化)
  4. 研修費用と頻度はどうなる
  5. 現場への影響
  6. ケアマネ資格を持つ人への影響
  7. よくある質問

更新制廃止の概要

2026年4月3日、政府は介護保険法等の改正案を閣議決定しました。この改正案には、ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格更新制の廃止が盛り込まれています。

改正のポイント
・2026年4月3日に閣議決定された介護保険法等改正案に含まれる
・施行は2027年度を予定
・現行の5年ごとの資格更新手続きが不要になる
・更新制に代わり、研修受講義務が法律上明確に位置づけられる

これまで介護支援専門員の資格は5年ごとに更新手続きが必要でしたが、改正後は一度取得すれば資格自体は継続して有効となります。ただし、業務を行うためには法令で定められた研修を受講する義務が残ります。

現行の更新制度の問題点

ケアマネジャーの資格更新制は2006年に導入されました。質の向上を目的としていましたが、長年にわたりさまざまな問題が指摘されてきました。

費用と時間の負担

更新研修の受講には数万円の費用がかかり、研修時間も数十時間に及びます。研修費用は自己負担のケースも多く、現場で働くケアマネジャーにとって大きな負担となっていました。

資格失効のリスク

更新手続きを失念した場合、資格が失効してしまいます。再取得には改めて研修を受ける必要があり、一時的に業務ができなくなるリスクが常にありました。

潜在ケアマネ問題

ケアマネジャーの資格を持ちながら介護支援専門員として登録していない、いわゆる「潜在ケアマネ」は約30万人にのぼるとされています。更新制度の煩雑さや費用負担が、資格を持っていても就業しない一因になっていると指摘されてきました。

人手不足の深刻化
高齢化の進展により介護ニーズが増加する一方、ケアマネジャーの成り手不足は深刻です。更新制度が就業への障壁となっている状況を改善するため、制度の見直しが求められていました。

廃止後はどうなるのか(研修義務化)

更新制の廃止は「研修が不要になる」という意味ではありません。制度の仕組みが変わるだけで、研修の重要性はむしろ法律で明確化されます。

現行制度 改正後(2027年度〜)
資格の有効期限 5年(更新手続きが必要) なし(一度取得すれば継続)
更新手続き 必要(失念すると失効) 不要
研修 更新研修として実施 法令上の義務として実施
研修を受けない場合 更新できない=失効 業務に従事できない

つまり、資格そのものは失効しなくなりますが、研修を受けなければケアマネジャーとして業務を行うことはできません。「資格の維持」と「業務従事の要件」が分離される形です。

研修費用と頻度はどうなる

改正後の研修の具体的な内容については、現時点では詳細な省令が公布されていません。今後、厚生労働省から具体的な基準が示される見込みです。

研修の枠組み

現行の更新研修(専門研修I・専門研修II)の枠組みがベースになると見られています。研修内容や時間数については、現場の負担軽減を考慮した見直しが行われる可能性があります。

費用負担の軽減

更新制廃止の議論の中で、研修費用の負担軽減も重要なテーマとして取り上げられています。事業所負担や公費補助の拡充など、受講者の自己負担を減らす方向での検討が進められています。

オンライン研修の拡充

新型コロナウイルスの流行を契機に広がったオンライン研修の活用も検討されています。特に地方在住のケアマネジャーにとって、移動の負担なく研修を受けられる環境の整備が期待されています。

今後の注目ポイント
・研修の頻度(現行の5年サイクルが維持されるか)
・研修費用の負担割合(自己負担・事業所負担・公費の配分)
・オンライン研修の割合と対面研修の取り扱い
・研修未受講時の具体的な取り扱い

現場への影響

潜在ケアマネの復帰促進

更新制の廃止により、資格が失効した状態のケアマネジャーや、更新手続きを避けて離職した方の復帰が促進されると期待されています。約30万人とされる潜在ケアマネの一部が現場に戻れば、深刻な人手不足の緩和につながります。

地方のケアマネ不足への効果

地方では研修会場への移動負担も更新制の障壁の一つでした。制度の簡素化とオンライン研修の拡充が進めば、地方でのケアマネジャー確保に寄与する可能性があります。

事業所の管理負担の変化

現行制度では、事業所がケアマネジャーの更新時期を管理し、研修受講を促す必要がありました。更新手続き自体は不要になりますが、研修受講状況の管理は引き続き必要となるため、事業所の管理体制がどう変わるかは今後の省令次第です。

質の担保とのバランス

更新制の廃止に対しては、ケアマネジメントの質の低下を懸念する声もあります。研修の義務化によって質を担保しつつ、参入障壁を低減するバランスが重要な課題です。

ケアマネ資格を持つ人への影響

改正が施行された場合、ケアマネジャー資格を持つ方の状況に応じて影響が異なります。

あなたの状況 改正後の影響
現在有効な資格で業務中 そのまま継続。今後は更新手続きが不要になる
更新期限が切れている 復帰しやすくなる可能性。経過措置の詳細に注目
資格はあるが未登録(潜在ケアマネ) 更新手続きを気にせず復帰を検討できるようになる
これから受験を考えている 更新手続きの負担なく資格を取得・維持できる
経過措置に注目
施行時点で更新期限が切れている方の取り扱い(経過措置)は、今後公布される省令で定められます。改正法の成立後、厚生労働省からの発表を確認してください。

よくある質問

いつから適用されますか?

2027年度の施行が予定されています。2026年4月3日に閣議決定された改正案が国会で成立した後、具体的な施行日が決まります。

もう研修を受けなくていいのですか?

いいえ。更新手続きは不要になりますが、研修の受講は法令上の義務として残ります。研修を受けなければケアマネジャーとして業務に従事することはできません。

すでに更新期限が切れている資格はどうなりますか?

経過措置の詳細は今後発表される予定です。改正法の成立後、厚生労働省から具体的な取り扱いが示されますので、続報をお待ちください。

研修費用は安くなりますか?

費用負担の軽減は議論されていますが、具体的な金額や負担割合はまだ決まっていません。オンライン研修の拡充により実質的な負担が軽減される可能性もあります。

まとめ

ケアマネジャーの資格更新制の廃止は、人材確保と現場の負担軽減を目的とした大きな制度変更です。更新手続きが不要になることで潜在ケアマネの復帰や新たな人材の参入が期待される一方、研修は法令上の義務として継続し、ケアマネジメントの質の担保も図られます。2027年度の施行に向けて、今後発表される省令等の詳細に注目してください。

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