訪問介護とは?
サービスの3種類と
頼める・頼めないことの違い
「ヘルパーさんに来てもらいたいけど、何を頼めるのかわからない」という方のために、訪問介護の基本とサービスの種類を整理しました。
訪問介護とはどんなサービスか
訪問介護は、ホームヘルパー(訪問介護員)が自宅を訪問して、日常生活のサポートをするサービスです。介護保険が適用されるため、要介護認定を受けていることが利用の前提になります(要支援1・2の方は「介護予防訪問介護」ではなく、市区町村の総合事業に移行しています)。
訪問してくれるヘルパーは、介護福祉士や訪問介護員の資格を持った専門職です。「家族のかわりに家事をしてもらう」というより、「介護を受ける本人の自立を支援する」というのが基本的な考え方です。この視点が、頼めること・頼めないことの線引きにつながっています。
3種類のサービスの違い
訪問介護には大きく3種類あります。それぞれ料金体系も異なります。
| 種類 | 対象 | 料金の目安(20分) |
|---|---|---|
| 身体介護 | 要介護1〜5 | 1,670円〜(1〜3割負担) |
| 生活援助 | 要介護1〜5(一定要件あり) | 1,830円〜(45分〜、1〜3割負担) |
| 通院等乗降介助 | 要介護1〜5 | 97円〜(片道、1〜3割負担) |
※料金は2024年度介護報酬を基準とした目安。自己負担割合・加算により変動します。詳しくは費用ガイドをご覧ください。
身体介護:できること・できないこと
身体介護は、ヘルパーが利用者の体に直接関わるサービスです。料金は生活援助より高めですが、医療行為の一部を除いた幅広いケアを受けられます。
- 入浴介助(体を洗う・浴槽への出入り)
- 清拭(体を拭く)
- 排泄介助・おむつ交換
- 食事介助(食べさせる・見守り)
- 口腔ケア
- 体位交換(寝たきりの方の体の向き変更)
- 移乗介助(ベッド↔車いすなど)
- 歩行介助・杖歩行の付き添い
- 服薬介助(薬を飲む手伝い)
- 外出・通院への付き添い
- 医療行為(点滴・注射・褥瘡処置など)
- 摘便・導尿(原則として医療行為)
- 家族分の食事・洗濯・掃除
- 利用者以外の部屋の掃除
- ペットの世話
- 大掃除・窓拭きなど日常的でない家事
たんの吸引・経管栄養は、研修を受けた介護職員が行える場合があります(平成24年度から制度化)。担当ヘルパーが対応できるか、事業者に確認してください。
生活援助:できること・できないこと
生活援助は、本人が自力でできない家事を代わりに行うサービスです。「本人のための家事」に限られ、同居家族がいる場合は原則として利用できません(ただし、家族が高齢・障害・疾病等で家事ができない場合は例外あり)。
- 利用者本人の部屋の掃除・整理整頓
- 本人分の洗濯・乾燥・畳み
- 本人分の食事の調理・配膳・後片付け
- 食材・日用品の買い物の代行
- 薬の受け取り(処方箋を持って薬局へ)
- ゴミ出し(本人のゴミのみ)
- 同居家族分の料理・洗濯・掃除
- 庭の草むしり・庭木の剪定
- ペットの世話・散歩
- 大掃除・不用品の処分
- 来客の接待・来客用の掃除
- 家具の移動・電球交換などの修繕
- 利用者の居室以外の掃除
同居家族がいる世帯での生活援助は、原則として対象外です。「家族が働いていて日中いない」「家族が高齢・病気で家事ができない」などの事情がある場合は、ケアマネジャーに相談してください。ケアプランへの記載と理由の説明が必要です。
通院等乗降介助
通院や外出時に、介護タクシーなどへの乗り降りを手伝うサービスです。「乗降介助」自体は身体介護より安価ですが、移動中の同乗部分や受診時の付き添い(院内の移動・待機)は別途身体介護として算定される場合があります。
ヘルパーが車を運転して送迎するサービス(介護タクシー)は別の制度です。事業者が介護タクシーも兼ねている場合はセットで提供されることがありますが、運賃は保険外となります。
覚えておきたいポイント
訪問介護は「本人に代わって何でもやる」サービスではなく、「本人が自分でできることは自分でやり、できない部分だけを支援する」という考え方が基本です。ヘルパーが手を出しすぎると、本人の生活能力が低下するとされています。
訪問介護を利用するには、ケアマネジャーが作成するケアプランに組み込まれている必要があります。「今日急にヘルパーに来てほしい」という形では使えません。利用を希望する場合は、まずケアマネジャーに相談してください。
「家族が大変だから」「家族が働いていて手が足りないから」という理由だけでは、ヘルパーに頼める内容は広がりません。サービスは「利用者本人の日常生活上の支援」に限られます。