GUIDE 01
訪問看護とは?
できること・費用・利用の流れ
「看護師が自宅に来てくれるサービス」と聞いても、訪問介護との違いや費用のことがよくわからない方のために、基本からまとめました。
訪問看護
医療保険・介護保険
費用の目安
利用の流れ
訪問看護とはどんなサービスか
訪問看護は、看護師・保健師・助産師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが自宅を訪問して、医療的なケアや療養上の世話を行うサービスです。医師の指示のもとに実施されるため、訪問介護(ホームヘルパーによるサービス)では対応できない医療行為も担えます。
介護保険と医療保険の両方が適用される可能性があり、利用者の状態や疾患によってどちらが優先されるかが変わります。要介護認定を受けている方は原則として介護保険、特定の疾患や急性期の状態の方は医療保険が適用されます。
訪問介護との違い
最大の違いは「医療行為ができるかどうか」です。訪問介護員(ホームヘルパー)は、原則として医療行為を行うことができません。一方、訪問看護では看護師などの資格を持つ専門職が医師の指示書のもとで医療処置を行えます。
| 比較項目 |
訪問介護 |
訪問看護 |
| 担当者 |
介護福祉士・ホームヘルパー |
看護師・保健師・理学療法士など |
| 医療行為 |
できない |
医師の指示のもとで可能 |
| 主な内容 |
入浴・排泄・食事介助、掃除・料理などの生活援助 |
点滴管理・褥瘡ケア・服薬管理・リハビリ・看取り |
| 適用保険 |
介護保険のみ |
介護保険または医療保険 |
| 必要な書類 |
ケアプランへの組み込み |
医師の指示書+ケアプラン(介護保険の場合) |
具体的にできること
✓ 訪問看護でできること
- 点滴・注射の管理(医師の指示のもと)
- 褥瘡(床ずれ)の処置・予防ケア
- 胃ろう・経管栄養の管理
- 気管切開・人工呼吸器の管理
- カテーテル・ストーマの管理
- 服薬管理の支援・確認
- バイタルサイン(血圧・体温・脈拍など)の測定と記録
- 病状観察・主治医への報告
- リハビリテーション(理学療法士・作業療法士が担当する場合も)
- 認知症・精神疾患への対応
- ご家族への介護指導・精神的サポート
- 終末期・看取りの対応
たんの吸引・経管栄養について
ホームヘルパーによるたんの吸引・経管栄養は、研修を修了した介護職員が条件付きで行える場合がありますが、より安定した医療的管理が必要な場合は訪問看護師が対応します。
利用の条件
訪問看護を利用するには、主治医の指示書が必要です。「訪問看護指示書」という書類を主治医に発行してもらうことが、サービス開始の大前提になります。
介護保険を使う場合
要介護1〜5または要支援1〜2の認定を受けていること。ケアプランに訪問看護が組み込まれていること。主治医の訪問看護指示書があること。
医療保険を使う場合
厚生労働大臣が定める疾病等(末期がん・ALS・パーキンソン病関連疾患など)に該当する場合は介護保険より医療保険が優先されます。また、急性増悪・退院直後などの一定期間は医療保険での利用が可能です。主治医の指示書は医療保険の場合も必要です。
要支援の方の注意点
要支援1・2の方は、介護予防訪問看護として利用できます。ただし市区町村の総合事業の対象となる場合があります。担当ケアマネジャーに確認してください。
費用の目安
訪問看護の費用は、介護保険か医療保険かによって異なります。介護保険を使う場合の自己負担は、要介護度・訪問時間・加算によって変わります。以下は介護保険(1割負担)の場合の目安です。
| 訪問時間 |
単位数の目安 |
1割負担の目安 |
| 20分未満 |
313単位 |
約320円/回 |
| 30分未満 |
470単位 |
約480円/回 |
| 30分以上〜1時間未満 |
821単位 |
約840円/回 |
| 1時間以上〜1時間30分未満 |
1,125単位 |
約1,150円/回 |
※2024年度介護報酬を基準とした目安。地域加算・加算項目によって変動します。
医療保険の場合の費用
医療保険を使う場合は、加入している健康保険の自己負担割合(1〜3割)が適用されます。費用の目安は訪問看護ステーションにお問い合わせください。
利用の流れ
1
主治医・ケアマネジャーに相談する
「訪問看護を使いたい」と主治医または担当ケアマネジャーに伝えます。要介護認定をまだ受けていない方は、地域包括支援センターに相談するのが近道です。
2
主治医に「訪問看護指示書」を発行してもらう
訪問看護ステーションが動くには、主治医の指示書が必要です。ケアマネジャーがいる場合は間に入って調整してくれます。
3
訪問看護ステーションを選び・契約する
ケアマネジャーから複数のステーションを紹介してもらうのが一般的です。希望する訪問曜日・時間帯・担当者の対応範囲などを確認してから契約します。
4
サービス開始
初回訪問でアセスメント(状態の確認)を行い、訪問スケジュールが決まります。開始後も主治医・ケアマネジャー・ステーション間で情報共有が続きます。
まず相談すべき先
🩺
主治医(かかりつけ医)
訪問看護の利用には指示書が必要です。「自宅で医療的なケアを受けたい」と相談してみてください。
👤
担当ケアマネジャー
すでに要介護認定を受けている方は、ケアマネジャーがステーション選びから調整まで動いてくれます。
🏘
地域包括支援センター
まだ認定を受けていない方や、何から始めればよいかわからない方はまずこちらへ。無料で相談できます。
よくある質問
Q. 訪問看護と訪問介護はどう違いますか?
訪問介護はヘルパーによる生活支援(入浴介助・掃除など)、訪問看護は看護師による医療的ケア(点滴管理・褥瘡ケア・服薬管理など)です。医療行為が必要な場合は訪問看護になります。
Q. 訪問看護を受けるには医師の許可が必要ですか?
はい、主治医が発行する「訪問看護指示書」が必要です。ケアマネジャーがいる場合は、間に入って手配してくれます。
Q. 費用は介護保険と医療保険のどちらが安いですか?
一般的には介護保険の方が自己負担は少なくなりますが、疾患や状態によっては医療保険が適用されます。どちらが使えるかは主治医やケアマネジャーに確認してください。
Q. 週に何回くらい来てもらえますか?
介護保険の場合、ケアプランに基づいて週1〜3回程度が一般的です。医療保険の場合は週3回(特定の疾患は毎日)まで利用可能です。
この記事を読んだら、次にやること
- 主治医に「訪問看護を使いたい」と相談してみる
- まだ要介護認定を受けていない方は、地域包括支援センターに電話する
- 困ったら → 地域包括支援センターまたは担当ケアマネジャーに相談
›