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介護保険の申請方法|手順・必要書類・認定までの流れ

介護保険を使うには「要介護認定」が必要です。申請から認定までの5つのステップ、必要な書類、審査にかかる期間をわかりやすく整理しました。

この記事でわかること
  1. 介護保険とは
  2. 申請の手順(5ステップ)
  3. 必要書類
  4. 認定までの期間と暫定利用
  5. 非該当だった場合の対処
  6. よくある質問

介護保険とは

介護保険は、介護が必要になった方を社会全体で支えるための公的保険制度です。40歳以上の全国民が保険料を納め、介護サービスを利用する際に費用の1〜3割の自己負担で済む仕組みになっています。

介護保険の対象者
65歳以上(第1号被保険者):原因を問わず、介護が必要と認定されればサービスを利用可能
40〜64歳(第2号被保険者):特定疾病(脳血管疾患、がん末期など16疾病)が原因の場合に限り利用可能

介護保険サービスを利用するには、お住まいの市区町村に申請し「要介護認定」を受ける必要があります。認定を受けていない状態では、介護保険サービスは利用できません。

申請の手順(5ステップ)

介護保険の申請から認定までは、おおむね以下の5つのステップで進みます。

1地域包括支援センターに相談

まずはお住まいの地域の「地域包括支援センター」に相談しましょう。介護に関する総合相談窓口で、申請の手続きを代行してくれることもあります。市区町村の高齢者福祉課でも相談を受け付けています。

地域包括支援センターは中学校区に1か所程度設置されています。場所がわからない場合は、市区町村の代表電話に問い合わせてください。

2市区町村の窓口で申請

市区町村の介護保険担当窓口に「要介護認定申請書」を提出します。本人が窓口に行けない場合は、家族やケアマネジャー、地域包括支援センターが代理で申請できます。

入院中の場合、病院のソーシャルワーカーが申請手続きをサポートしてくれることもあります。

3認定調査(自宅訪問)

市区町村の認定調査員が自宅(または入院先)を訪問し、心身の状態を調査します。調査は全国共通の74項目で行われ、約1時間程度かかります。

認定調査で聞かれること(例)
・身体機能:起き上がり、歩行、関節の動き
・生活機能:食事、排泄、入浴、着替え
・認知機能:日付の理解、場所の認識、意思疎通
・社会生活:薬の管理、金銭管理、買い物
・医療関連:服薬、点滴、じょくそう(床ずれ)の有無

調査当日は「良いところを見せよう」とせず、普段の状態を正確に伝えることが大切です。家族が同席して補足説明するのがおすすめです。

4審査判定(約30日)

認定調査の結果と主治医意見書をもとに、コンピュターによる一次判定が行われます。その後、保健・医療・福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」で二次判定(最終判定)が行われます。

一次判定から二次判定まで、申請日からおおむね30日以内に結果が出ます。

5結果通知・ケアプラン作成

認定結果が郵送で届きます。結果は「非該当」「要支援1〜2」「要介護1〜5」のいずれかです。

要支援と認定された場合は地域包括支援センター、要介護と認定された場合は居宅介護支援事業所のケアマネジャーがケアプラン(介護サービス計画)を作成し、サービスの利用が始まります。

必要書類

申請に必要な書類は以下のとおりです。

書類 入手先・備考
要介護認定申請書 市区町村の窓口またはホームページからダウンロード
介護保険被保険者証 65歳になった時点で市区町村から交付済み。紛失した場合は再発行可能
健康保険被保険者証 40〜64歳の方(第2号被保険者)のみ必要
主治医意見書 市区町村が直接主治医に依頼するため、本人の準備は不要。ただし、かかりつけ医の名前・医療機関名を申請書に記入する
マイナンバーがわかるもの マイナンバーカード、通知カード、または番号記載の住民票
本人確認書類 運転免許証、マイナンバーカードなど(代理申請の場合は代理人の本人確認書類も必要)
かかりつけ医がいない場合
主治医意見書は認定に大きく影響します。かかりつけ医がいない場合は、市区町村が指定する医師の診察を受けることになります。日頃から定期的に受診しておくことが望ましいです。

認定までの期間と暫定利用

申請から認定結果が届くまでの標準的な期間は約30日です。ただし、自治体によっては審査会の開催頻度や申請件数の状況により、1〜2か月かかることもあります。

申請中でもサービスは使える(暫定利用)

認定結果が出る前でも、申請日にさかのぼって介護サービスを利用できます。これを「暫定ケアプラン」といいます。

暫定利用の注意点
・認定結果が想定より軽い(または非該当)だった場合、利用したサービスの費用が全額自己負担になる可能性があります
・暫定ケアプランはケアマネジャーと相談のうえ、慎重に利用範囲を決めましょう
・退院直後など緊急性が高い場合には、暫定利用の活用を検討してください

非該当だった場合の対処

認定結果が「非該当(自立)」だった場合でも、いくつかの選択肢があります。

1. 区分変更申請をする

認定結果に納得がいかない場合は、「区分変更申請」を行うことができます。認定結果の通知後いつでも申請可能です。再度、認定調査と審査判定が行われます。

2. 不服申立てをする

都道府県の「介護保険審査会」に審査請求(不服申立て)を行うこともできます。ただし、結果が出るまでに数か月かかるため、急ぐ場合は区分変更申請のほうが現実的です。

3. 介護保険外サービスを利用する

非該当でも利用できるサービスは多くあります。自治体の「介護予防・日常生活支援総合事業」や、民間の配食サービス、見守りサービスなどは介護認定なしで利用できます。

要介護認定なしで使えるサービス一覧

よくある質問

申請は本人が行かなければいけませんか?

本人でなくても申請できます。家族、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)、介護保険施設が代理で申請可能です。入院中の場合は、病院のソーシャルワーカーに相談するとスムーズです。

認定の有効期間はどのくらいですか?

初回認定の有効期間は原則6か月(市区町村の判断で3〜12か月に変更される場合があります)。更新認定は原則12か月です。有効期間が切れる前に更新申請が必要です。市区町村から更新のお知らせが届きます。

認定調査の日に体調が良く、普段より元気に見えてしまいそうです。

認定調査では「普段の状態」を正確に伝えることが最も大切です。家族が同席し、日常の様子を書いたメモを準備しておくとよいでしょう。「調子が良い日と悪い日の差」を具体的に伝えてください。

まとめ

介護保険の申請は、地域包括支援センターへの相談から始まります。申請そのものは難しくありませんが、認定調査での伝え方や主治医意見書の内容が結果に影響します。困ったときは地域包括支援センターに相談しましょう。認定結果が出るまでの間も暫定利用が可能なため、必要なサービスは早めに相談を始めてください。

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