実用ガイド

高齢者の見守りサービス比較|一人暮らしの親を見守る7つの方法

離れて暮らす親の安否が気になる。でも何から始めればいいかわからない――。この記事では、見守りサービスを7種類に分類し、費用・特徴・選び方をまとめました。1つに絞る必要はなく、組み合わせて使うのが効果的です。

見守りサービスとは

見守りサービスとは、離れて暮らす高齢者の安否を確認するためのサービスの総称です。食事の配達時に顔を見る、センサーで生活リズムを検知する、カメラで映像を確認するなど、さまざまな方法があります。

2024年の警察庁初集計では、65歳以上の孤独死は年間約5.8万人と報告されています。一人暮らしの高齢者が増加する中、「離れて暮らす親の異変に気づけない」という不安を抱える家族は年々増えています。

見守りの方法は大きく7種類に分けられます。それぞれ費用やプライバシーへの配慮、リアルタイム性が異なるため、親御さんの状況や家族の心配ごとに合わせて選ぶことが大切です。

見守りサービスは1つに絞らなくてよい
多くの専門家が推奨するのは、複数サービスの組み合わせです。たとえば「配食サービスで毎日の安否確認」+「緊急通報ペンダントで急変時の備え」のように、日常と緊急時を分けて考えると効果的です。

見守りサービス7種類の比較

7種類の見守りサービスを、費用・プライバシー・リアルタイム性・異変検知力・おすすめの人の5つの観点で比較します。

種類 月額目安 プライバシー リアルタイム性 異変検知 おすすめの人
配食サービス(安否確認付き) 0円(食事代のみ) △(1日1回) 食事の心配もある方
センサー型 2,000〜3,000円 さりげなく見守りたい方
カメラ型 1,000〜3,000円 認知症で目が離せない方
GPS・位置情報型 500〜1,500円 徘徊リスクがある方
緊急通報(ペンダント型) 0〜1,500円 転倒リスクが高い方
電話・訪問型 3,000〜10,000円 話し相手も必要な方
自治体サービス 0〜500円 まず費用を抑えたい方

以下、それぞれのサービスについて詳しく解説します。

配食サービスによる安否確認

配食サービス(宅配弁当)は、毎日の食事配達時に配達員が対面で安否を確認してくれるサービスです。食事と見守りを同時に解決できる、最もコストパフォーマンスの高い方法といえます。

配食サービスの見守りの仕組み

配達員がお弁当を届ける際に、利用者の様子を直接確認します。「顔色が悪い」「いつもと様子が違う」「応答がない」といった異変を感じた場合、あらかじめ登録した緊急連絡先(家族やケアマネジャー)に連絡してくれる業者もあります。

主な対応業者

配食サービスの安否確認は、見守り費用が実質0円
見守りのための追加料金はかからず、食事代(1食500〜700円程度)だけで安否確認がついてきます。「何か見守りを始めたいけれど、大げさなことはしたくない」という方の第一歩として最適です。

配食サービスは全国の多くの市区町村で利用でき、自治体が配食費用の一部を補助しているケースもあります。

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センサー型見守り(電気・水道の使用検知)

センサー型は、電気・水道・ガスなどの使用パターンから高齢者の生活リズムを検知するサービスです。一定時間動きがない場合や、いつもと異なるパターンが検出された場合にアラートが届きます。

センサー型の特徴

主なサービス

センサー型は「さりげなく見守りたい」「親のプライバシーを尊重したい」という方に最も適した選択肢です。月額2,000〜3,000円程度で、日常生活の中に自然に溶け込みます。

カメラ型見守り

見守りカメラを設置し、スマートフォンからリアルタイムで映像を確認できるサービスです。異変がないかを自分の目で確認できるため、安心感が高い方法です。

カメラ型の特徴

代表的な製品

カメラ型の注意点:プライバシーの問題
カメラで常に見られていることに抵抗感を持つ親御さんは少なくありません。設置前に本人の同意を得ることが大切です。リビングなど共有スペースのみに設置する、確認する時間帯を決めるなどのルールを話し合っておくとよいでしょう。

GPS・位置情報型

GPS端末やスマートフォンアプリを使って、高齢者の位置情報をリアルタイムで確認するサービスです。認知症による徘徊対策として特に効果を発揮します。

GPS型の特徴

主なサービス・製品

徘徊のリスクがある場合は、GPS型と緊急通報システムの併用が効果的です。自治体のGPS端末貸出制度がないか、地域包括支援センターに相談してみましょう。

緊急通報システム(ペンダント型)

ペンダント型やリストバンド型の端末に搭載されたボタンを押すと、消防署やコールセンターに通報できるシステムです。転倒や体調の急変時に、自分で助けを呼べる安心感があります。

緊急通報システムの特徴

主なサービス

まずは自治体の貸出制度を確認
自治体の緊急通報システムは、民間サービスよりも大幅に安く(無料のケースも多い)利用できます。まずはお住まいの市区町村の窓口か地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。

電話・訪問型見守り

定期的に電話をかけたり、スタッフが自宅を訪問したりして安否を確認するサービスです。機器の操作が不要で、人とのコミュニケーションが生まれるのが特徴です。

電話・訪問型の特徴

主なサービス

電話・訪問型は他の見守りサービスと比べて費用が高くなりがちですが、「人との接点が減っている」「一日中誰とも話さない日がある」という親御さんには大きな価値があります。

自治体の見守りサービス

多くの市区町村が、高齢者向けの見守りサービスを無料または低額で提供しています。費用を抑えて見守りを始めたい方は、まず自治体のサービスを確認しましょう。

自治体が提供する主な見守りサービス

地域包括支援センターへの相談がファーストステップ
自治体の見守りサービスは、制度が市区町村ごとに異なり、広報が十分でないケースもあります。お住まいの地域包括支援センターに電話すれば、利用できるサービスを一通り教えてもらえます。相談は無料です。

お住まいの地域の相談窓口を探す →

目的別の選び方ガイド

「結局、どれを選べばいいの?」という方に向けて、状況別のおすすめの組み合わせをまとめました。

「まず何かしたい」方
配食サービス(安否確認付き)+ 自治体の緊急通報システム
毎日の見守りと緊急時の備えを低コストで実現。見守り費用は月0〜500円。
「さりげなく見守りたい」方
センサー型見守り
親に「見守られている」と意識させずに生活リズムを把握。プライバシー重視の方に。
「認知症が心配」な方
GPS・位置情報型 + カメラ型見守り
徘徊対策と室内の安全確認を両立。自治体のGPS端末貸出も要チェック。
「転倒が心配」な方
緊急通報ペンダント + センサー型見守り
転倒時にボタンで通報+動きがない場合のアラートで二重の備え。
「費用を抑えたい」方
配食サービス(安否確認付き)+ 自治体サービス
食事代を除けば見守り費用は月500円以下。自治体の補助制度も活用。

親が見守りを嫌がった時の切り出し方

「見守りカメラを付けたい」と切り出すと、多くの親世代は「監視されているようで嫌だ」と拒否します。しかし、切り出し方を変えれば受け入れてもらえることが多くあります。実務で使われている切り出し方を3つ紹介します。

パターン1:配食サービスから始める(最も抵抗が少ない)

1「食事の話」として切り出す

「最近買い物が大変じゃない?宅配のお弁当、試しに週3回だけ頼んでみない?」

2試食・お試しから入る

多くの配食業者が無料試食や週単位の契約に対応。家族が同席して一緒に食べると、抵抗感が下がります。

3配達員との関係が定着したら、安否確認の話をそっと伝える

「ついでに毎日元気か顔を見てもらえると、こちらも安心なんだ」と家族側の安心として伝えると受け入れやすいです。

パターン2:「健康管理」の文脈で切り出す

センサー型・緊急通報ペンダントは「見守り」と言わず「健康管理グッズ」として提案すると受け入れてもらいやすくなります。

切り出し例:
「最近ヒートショックのニュース多いから、急に具合悪くなった時に呼べるボタン付けない?お守り代わりに」
※ 自治体で無料貸出していることを伝えると、さらに抵抗感が下がります。

パターン3:孫・別の家族を巻き込む

息子・娘が言うと「心配しすぎ」と反発されるケースでも、孫や兄弟姉妹が話すと受け入れることがあります。特に遠方に住む親に対しては、近隣の親族や昔からの友人が同じ提案をすると効果的です。

使える言い回し:
「◯◯さん(同年代の友人)も最近始めたみたいだよ」「△△(孫)が『おばあちゃん心配』って言ってた」
同世代・家族の事例を添えると納得度が上がります。

やってはいけない切り出し方

それでも拒否される場合は、ケアマネジャーや民生委員から話してもらう方法もあります
家族からの提案は受け入れなくても、専門職・公的立場の人からの助言は受け入れるケースが少なくありません。次のセクションで詳しく解説します。

ケアマネ・地域包括支援センターの活用

要介護認定を受けている方、または65歳以上の方は、ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談することで、見守りサービス選びが大きく進みます。

要介護認定を受けている場合(ケアマネジャー)

担当ケアマネジャーは、地域で実際に使われている配食業者・センサー製品・自治体サービスの情報を持っています。ケアプランに組み込める福祉用具(緊急通報装置など)や、生活援助としての配食サービスを提案してもらえることがあります。

要介護認定がまだの場合(地域包括支援センター)

地域包括支援センターは、65歳以上の高齢者とその家族が無料で相談できる公的窓口です。市区町村が運営しており、お住まいの地域に必ず1か所以上あります。

包括の電話番号は市区町村HPに必ず掲載されています
「◯◯市 地域包括支援センター」で検索すれば見つかります。初回の電話相談は無料・予約なしでかけられ、見守りだけでなく介護全般の相談にも対応してくれます。

本人が拒否する場合の相談ルート

親本人が「余計なお世話」と家族の提案を拒否する場合、以下のルートで専門職から話してもらうと状況が変わることがあります。

  1. 地域包括に匿名相談 ― 家族だけで相談し、民生委員訪問の依頼が可能
  2. 民生委員経由 ― 近所の民生委員が「地域のお困りごと調査」名目で訪問し、さりげなく提案
  3. かかりつけ医から ― 医師から「ヒートショック対策にペンダントを」と言われると受け入れることが多い

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よくある質問

親が見守りサービスを嫌がる場合はどうすればいい?

配食サービスなら「食事の宅配」という名目で自然に始められます。見守りを前面に出さず、「栄養バランスの良い食事を届けてもらう」という形であれば、抵抗感なく受け入れてもらえるケースが多いです。センサー型も設置後は意識せずに済むため、比較的受け入れられやすいサービスです。

複数の見守りサービスを併用できる?

はい、併用できます。むしろ複数サービスの組み合わせが推奨されます。たとえば「配食サービスで毎日の安否確認+緊急通報ペンダントで急変時の対応」のように、日常の見守りと緊急時の備えを分けて考えるのが効果的です。

費用はどのくらいかかる?

配食サービスの安否確認は食事代のみで見守り費用は実質0円、自治体の緊急通報システムは無料〜月500円程度です。この2つを組み合わせれば、食事代を除いた見守り費用は月500円以下に抑えられます。センサー型を追加しても月3,000円程度です。

見守りサービスは介護保険で使える?

見守りサービスは原則として介護保険の対象外で自費となります。ただし、自治体独自の助成制度として、緊急通報システムの無料貸出や配食サービスの補助を行っている市区町村は多くあります。お住まいの地域包括支援センターに相談するのが確実です。

緊急時に駆けつけてくれるサービスは?

ALSOKの「みまもりサポート」やSECOMの「親の見守りプラン」は、緊急通報時にガードマンが駆けつけるサービスを提供しています。月額2,000〜3,000円程度で、ボタンひとつで専門スタッフが自宅まで来てくれます。自治体の緊急通報システムでも、消防署への通報と連動しているケースがあります。

親が遠方に住んでいる場合、どの見守りが向いている?

遠方の親には「配食サービスの安否確認」+「センサー型または緊急通報ペンダント」の組み合わせが向いています。配食は地域の業者が物理的に訪問してくれるため、家族が遠方でも対面での確認ができます。センサー型・ペンダントはスマホアプリで通知が届くため、距離に関係なく状況把握が可能です。

見守りサービスはいつから始めるべき?

「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちに準備を始めるのが理想です。特にヒートショックや転倒は予兆なく起こるため、後手になりやすいです。目安として、親が75歳を超えた・一人暮らしになった・持病が出始めた、のいずれか1つでも該当したら検討のタイミングです。配食サービスのように導入ハードルの低いものから試すと、本人も家族も慣れやすくなります。

スマホを使えない親でも見守りできる?

できます。配食サービス・自治体の緊急通報システム・センサー型(電気使用量検知タイプ)は、親側の操作がほぼ不要です。家族側だけがスマホアプリで通知を受け取ります。カメラ型やGPS型も、電源を入れっぱなしにするだけで使える機種が多く、親の操作負担はほとんどありません。

まとめ

見守りサービスは7種類あり、それぞれ費用・プライバシー・検知力が異なります。「まず何か始めたい」という方には、配食サービスの安否確認と自治体の緊急通報システムの組み合わせがおすすめです。月々の見守り費用を500円以下に抑えながら、毎日の安否確認と急変時の備えの両方を実現できます。

どのサービスが合うか迷ったら、まずはお住まいの地域包括支援センターに相談してみてください。無料で、利用できる自治体サービスや地域の配食業者を教えてもらえます。

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