独自データ分析

東京23区の配食サービス補助を比較
自己負担320円の区と全額自費の区

同じ東京都内なのに、高齢者向け配食サービスの補助額・対象者・利用回数は区によってまったく違います。23区の制度を独自調査で一覧比較しました。

320〜780円
自己負担額の幅
65〜75歳
対象年齢の幅
2〜14食/週
利用上限の幅
この記事のデータについて
2026年4月時点で各区の公式サイトから取得した情報です。制度は変更される場合があります。詳細は各区の高齢福祉担当課にご確認ください。

23区の配食補助はなぜこんなに違うのか

東京23区はそれぞれが独立した基礎自治体(特別区)であり、高齢者向けサービスの設計は各区に委ねられています。国の介護保険制度の枠外にある配食サービスは、区の独自事業として運営されるため、補助額・対象者・利用回数に大きな差が生じています。

親の住む区によって、同じサービスを受けるのに自己負担が2倍以上違う――これは制度を知らなければ気づけない格差です。

23区 配食サービス補助 比較テーブル

以下は各区の高齢者向け配食サービス(行政の補助制度)の比較です。

区名 自己負担(1食) 区の補助 対象年齢 回数上限 特徴
港区 320〜480円 あり 65歳以上 週7食 自己負担が最安
千代田区 350〜680円 350円/食 65歳以上 1日2食 365日配達、補助額最高
江東区 250〜585円 あり 65歳以上 週7食 常温・冷蔵選択可、塩分調整食
目黒区 277〜566円 263〜333円/食 65歳以上 1日1食 食形態が最も豊富(透析食・ペースト食も)。要介護認定が原則必要
足立区 定価-300円 300円引き/食 65歳以上 1日1食 2024年10月開始の新事業
台東区 515〜780円 あり(月40食まで) 65歳以上 月40食 年中無休、社協運営
新宿区 500円 チケット制 65歳以上 平日昼食のみ 昼食限定、土日祝なし
江戸川区 500〜630円 あり 65歳以上 週3食以上 月〜土、電子申請可
墨田区 事業者による あり 65歳以上 1日2食 ムース食、カロリー調整食対応
荒川区 事業者による あり 65歳以上 週1〜7食 昼食のみ対応
葛飾区 事業者による あり 65歳以上 週14食 利用枠が最大(昼夕×7日)
中央区 570〜760円 あり 70歳以上 昼・夕 対象年齢が70歳以上と厳しい
渋谷区 定価-150円 150円/食 75歳以上 1日1食 対象年齢75歳以上(要支援以上なら不問)
中野区 事業者による あり 75歳以上 不明 対象年齢75歳以上
品川区 不明 不明 不明 週2回のみ 利用回数が最小
練馬区 実費 あり 不明 不明 見守り事業と一体
豊島区 全額自費 なし 制限なし 制限なし 区の助成ゼロ。誰でも利用可
板橋区 全額自費 なし 65歳以上 制限なし 区の助成ゼロ。事業者登録制
大田区 400〜700円 なし 65歳以上 団体による 社協ボランティア運営
世田谷区 高齢者向け在宅配食の独自事業なし(会食サービスのみ)
文京区 公式サイトに情報なし。高齢福祉課(03-5803-1213)に要確認
杉並区 行政独自の配食事業を確認できず。高齢者在宅支援課(03-5929-1865)に要確認
北区 公式サイトに情報なし。高齢福祉課(03-3908-9083)に要確認

※2026年4月時点。各区公式サイトの公開情報に基づく。「事業者による」は区が事業者を登録・紹介するが価格設定は事業者に委ねている場合。

5つの格差ポイント

1. 自己負担額:港区320円 vs 台東区780円

最も安い港区は1食320円から利用でき、千代田区は1食あたり350円の補助が出ます。一方、台東区の特別食は780円、中央区のたんぱく質調整食は760円。同じ「区の配食サービス」で2倍以上の差があります。豊島区・板橋区に至っては区の助成が一切なく、全額自費です。

2. 対象年齢:65歳 vs 70歳 vs 75歳

大多数の区は65歳以上が対象ですが、中央区は70歳以上渋谷区・中野区は75歳以上と10歳もの差があります。渋谷区は要支援・要介護認定があれば年齢不問ですが、元気な74歳以下の高齢者は利用できません。逆に豊島区は年齢制限すらなく、誰でも利用可能です。

3. 利用回数:品川区の週2回 vs 葛飾区の週14食

品川区は週2回のみ。新宿区と荒川区は昼食限定で夕食は不可。対して葛飾区は昼・夕で週14食(毎日2食)、千代田区・墨田区も1日2食対応。毎日の食事を配食に頼る一人暮らし高齢者にとって、この差は生活の質に直結します。

4. 食形態:目黒区が最も充実

目黒区は普通食に加え、糖尿病食・腎臓病食・透析食・やわらか食・ムース食・ペースト食と7種類以上の食形態に対応。江東区は常温と冷蔵を選べます。一方、多くの区は「きざみ・おかゆ対応」程度にとどまり、持病のある方は選択肢が限られます。

5. 世田谷区は高齢者向け在宅配食の独自事業がない

人口約92万人を擁する世田谷区には、高齢者向けの在宅配食サービスの区独自事業がありません(月1〜週1回の会食サービスのみ)。世田谷区にお住まいの方は、民間の配食サービスを直接利用する必要があります。

行政の配食事業は全国的に縮小傾向

東京23区内でも温度差がありますが、全国に目を向けるとさらに大きな変化が起きています。

「民間で代替できるサービスは行政が手を引く」という流れの中で、お住まいの地域にどんな制度があるか、なくなった場合にどう備えるかを知っておくことが重要です。

行政の補助がない地域でも使える民間配食サービス
まごころ弁当(1食525円〜)、配食のふれ愛(1食540円〜)、ライフデリ(1食563円〜)など、全国展開のFCチェーンは安否確認付きで毎日配達に対応しています。地域の配食サービスを探す →

お住まいの区で使える制度を確認するには

  1. 区の高齢福祉担当課に電話する — 最も確実。「高齢者向けの配食サービスの補助制度はありますか」と聞けばOK
  2. 地域包括支援センターに相談する — 担当ケアマネがいれば、ケアマネ経由でも確認できます
  3. 区の公式サイトで「配食」「食事サービス」を検索する — ただし情報が見つかりにくい区もあります

まとめ

東京23区の高齢者向け配食サービスは、区によって自己負担額・対象年齢・利用回数・食形態が大きく異なります。港区の320円から豊島区の全額自費まで、同じ都内で2倍以上の格差があります。

全国的に行政の配食事業は縮小傾向にあり、横浜市は2025年3月に30年の歴史に幕を下ろしました。お住まいの地域の制度を確認し、行政の補助があるうちに活用することをおすすめします。

当サイトでは全国216市区町村の配食委託事業データを収集・公開しています。

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調査手法:2026年4月時点で、東京23区の各区公式サイトから高齢者向け配食サービス(食事サービス事業)の制度情報を取得。一部の区は公式サイトに情報が掲載されておらず「要確認」としています。政令指定都市の配食委託事業データは各市公式サイトから取得。全国の配食委託データ(216市区町村)は厚生労働省「介護サービス情報公表システム」、各自治体の公式サイト、東京都福祉保健財団「福ナビ」から収集。
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