嚥下障害とは
嚥下(えんげ)とは、食べ物を口から食道・胃へ送り込む動作のことです。この機能が低下した状態を嚥下障害といいます。高齢者に多く、脳卒中・パーキンソン病・認知症・加齢による筋力低下などが原因となります。嚥下障害が進むと、食べ物や唾液が誤って気道に入る「誤嚥」が起き、誤嚥性肺炎につながるリスクがあります。
嚥下障害のサイン
・食事に以前より時間がかかる
・食後に声がかすれる・ガラガラした声になる
・食欲が落ちた、体重が減ってきた
・食べ物が口の中でまとまらない
食形態の種類と目安
日本摂食嚥下リハビリテーション学会の「嚥下調整食分類2021」では、食形態を以下のように分類しています(目安として)。
コード1:ゼリー・プリン・ムース状(均質で少量ずつ飲み込める)
コード2:ペースト・ミキサー食(なめらかでまとまりやすい。スプーンで食べられる)
コード3:やわらか食(形はあるが、舌と口蓋で押しつぶせる)
コード4:軟菜食(歯ぐきでつぶせる〜箸できれるやわらかさ)
どのコードが適切かは、言語聴覚士(ST)による嚥下評価を受けるのが最も確実です。
刻み食の宅配サービス
刻み食(きざみ食)は、食材を5mm〜1cm程度に細かく刻んだ食形態です。噛む力が弱くなってきたものの、飲み込む機能はある程度保たれている方に適しています。自宅で毎食刻み食を調理するのは手間がかかるため、刻み食に対応した宅配サービスを利用する方が増えています。冷凍で届くタイプであれば、電子レンジで温めるだけで食べられます。
医療食(治療食)との違い
「嚥下食」と混同されやすい言葉に「医療食(治療食)」があります。両者は目的が違います。
嚥下食・介護食:主に噛む力・飲み込む力が低下した方向けに、食形態を調整した食事。必ずしも疾病を対象としない。
両方の要素を兼ね備えた食事(例:やわらかい腎臓病食)もあります。医療食は主治医の指示・管理栄養士との相談のもとで使用するものなので、自己判断で制限の内容を変えないようにしてください。疾患別の詳しい食事療法は、腎臓病・糖尿病・塩分制限の各記事をご覧ください。
嚥下食の宅配弁当
嚥下食の宅配弁当は、ムース食・ゼリー食・ペースト食など、飲み込みやすい形態に調理された弁当を自宅に届けてくれるサービスです。嚥下機能が大幅に低下した方でも安全に食事を摂れるよう、食材の硬さ・まとまりやすさ・滑らかさが調整されています。メディカルフードサービスなど、嚥下調整食に対応した冷凍宅配弁当であれば、嚥下機能の変化に合わせてコードを切り替えながら長く利用できます。
まとめ
- むせ・食事時間の延長は嚥下機能低下のサイン
- 食形態は嚥下機能の段階に合わせて選ぶ
- 判断は主治医・言語聴覚士に相談する