夜間対応型訪問介護とは24時間在宅を支える仕組み
本記事は厚生労働省の公開データおよび各自治体の一次情報をもとに作成しています。一部にPR・広告を含む場合があり、その際は明示しています。
夜間対応型訪問介護とは
夜間対応型訪問介護は、介護保険法の地域密着型サービスの1つ。夜間帯(原則22時〜翌朝6時)に特化した訪問介護を提供します。
地域密着型サービスのため、原則として施設所在地の市町村住民が利用対象。高齢者の「夜の不安」を地域で支える仕組みとして2006年に創設されました。
サービスの3構成
夜間対応型訪問介護は、次の3つのサービスを組み合わせて提供します。
1. オペレーションセンターサービス
24時間対応のコールセンター機能。ケアコール端末(事業所が貸与)を通じて利用者からの通報を受け、適切な対応(助言・随時訪問依頼)を行います。緊急時の判断役です。
2. 定期巡回サービス
事業所が定めたスケジュールで利用者宅を訪問。就寝介助(寝付きの確認)、排泄介助(オムツ交換)、体位変換、服薬確認などを行います。原則として夜間に2〜3回程度の巡回。
3. 随時訪問サービス
利用者からの通報(ケアコール)を受けて、必要に応じて訪問。体調不良、転倒、不安の訴えなどに対応します。通報頻度により提供回数は変動。
**ポイント:**ケアコール端末(小型の通報ボタン付き機器)の操作が前提のため、認知症が進んで操作が困難な方には向きません。家族が遠方から見守る用途にも使えます。
料金(2024年度改定後)
2024年度改定後の単位数(令和8年度改定でも変更なし)は、月単位の基本料金+訪問回数ベースの加算、という2層構造です。
月単位の基本料金(夜間対応型訪問介護Ⅰ)
- オペレーションセンター設置型:月989単位
訪問ごとの料金
- 定期巡回:1回372単位
- 随時訪問(1人訪問):1回567単位
- 随時訪問(2人訪問):1回764単位
オペレーションセンターを設置しない場合(Ⅱ型)
- 月2,702単位(定額)
1単位10.00〜11.40円。月の合計単位数に1割負担(年齢・所得により2〜3割)を掛けた額が自己負担。深夜早朝加算、24時間通報対応加算、処遇改善加算(夜間対応型訪問介護は令和8年6月からの加算Ⅰロで最大27.8%)等が乗ります。
出典:厚生労働省「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(令和6年度改定)/ 夜間対応型訪問介護費。
定期巡回・随時対応型との違い
名前が似ていて混同されやすい「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」との違いを整理します。
| 項目 | 夜間対応型訪問介護 | 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 |
|---|---|---|
| 対応時間帯 | 夜間のみ(22時〜6時) | 24時間(昼夜問わず) |
| 看護サービス | なし(介護のみ) | あり(訪問看護統合型) |
| 併用可能な他サービス | 日中の訪問介護・通所サービス等と併用可 | 訪問介護・訪問看護と包括契約、ほぼ一元化 |
| 料金体系 | 月基本料+訪問ごと加算 | 月包括 |
医療ケアが必要な方は定期巡回・随時対応型、日中は自立していて夜の見守りのみ必要な方は夜間対応型、という使い分けが基本です。
向いている方
向いている
- 独居の高齢者で、夜間の不安を解消したい方
- 夜間のトイレ誘導・オムツ交換が必要な方
- 家族が遠方在住で、夜間の様子を把握したい場合
- ケアコール端末の操作が可能な認知機能
- 日中は自立または通所サービス利用中
向かない
- 認知症が進んでおり、コール操作が困難な方
- 常時医療ケアが必要な方
- 夜間対応型事業所が存在しない地域にお住まいの方
この記事の要点
- 夜間対応型訪問介護は22〜6時の夜間特化地域密着型サービス
- オペレーションセンター+定期巡回+随時訪問の3構成
- 月基本料989〜2,702単位+訪問ごと加算
- 24時間対応の定期巡回・随時対応型とは別サービス
- 独居高齢者の夜の不安解消、家族の遠方見守り補完に有効
- ケアコール端末の操作が前提、重度認知症の方には不向き
よくある質問
Q. 夜間対応型の事業所はどこで探せる?
厚生労働省「介護サービス情報公表システム」で「夜間対応型訪問介護」として検索可能。ただし事業所数が全国的に限られており、都市部でも地域によっては存在しないことがあります。ケアマネジャーに地域の提供状況を確認するのが確実です。
Q. 日中は訪問介護、夜間は夜間対応型、という併用はできる?
できます。両者は別サービスのため、日中の訪問介護(身体介護・生活援助)と夜間対応型訪問介護を同時に利用するケアプランは可能です。ただし夜間対応型の月基本料と訪問加算が両方発生するため、利用頻度と費用対効果を確認しましょう。
Q. 通報したけど誰も来ないのは困ります。対応速度は?
事業所により差がありますが、一般的に通報から30分以内に訪問することが運営基準で求められています。具体の対応速度は契約前に確認し、遅延時の対応・緊急時フローも確認しましょう。
Q. ケアコール端末の費用は?
多くの事業所で無料貸与が基本です。月額料金に含まれる形。ただし事業所によっては有料レンタルや購入設定もあるため、契約時に確認を。
Q. 認知症で通報できない場合はどうすれば?
夜間対応型は通報操作が前提のため、重度認知症の方には向きません。代わりに定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間対応)や、小規模多機能型居宅介護の「泊まり」利用、施設入所(グループホーム等)の検討をケアマネジャーと相談しましょう。
出典:厚生労働省「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」/ 夜間対応型訪問介護の人員・設備基準/「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(令和6年度改定)/ 夜間対応型訪問介護費。本記事の内容は2026年4月時点。