実用ガイド

親が突然倒れたら|最初の1週間でやるべきこと

ある日突然、親が倒れて入院。何から手をつければいいかわからない。この記事では、入院中・退院前・退院後の最初の1週間にやるべきことを時系列で整理しました。

落ち着いて。まず状況を整理する

突然のことで気持ちが動揺するのは当然です。まずは深呼吸をして、いま必要なことだけに集中しましょう。

最初にすべきことは「情報の整理」です。以下の項目を確認してください。

最初に確認すること
・親の病状と今後の見通し(主治医に確認)
・入院の見込み期間
・介護保険の認定を受けているか
・かかりつけ医の有無・お薬手帳の場所
・健康保険証・介護保険被保険者証の場所
・親の預金通帳・年金の受取口座の確認

全てを一度に解決する必要はありません。入院中・退院前・退院後と段階に分けて、一つずつ進めていきましょう。

入院中にやること(3つ)

入院1〜3日目

1. 病院のソーシャルワーカーに相談する

入院先の病院には「医療ソーシャルワーカー(MSW)」がいます。退院後の生活の不安、介護保険の手続き、経済的な問題など、何でも相談できます。

ナースステーションで「ソーシャルワーカーさんに相談したい」と伝えてください。大きな病院では「地域連携室」「患者支援室」「退院支援室」などの名称で設置されています。

入院3〜5日目

2. 介護保険の申請(入院中でも可能)

まだ介護保険の認定を受けていない場合は、入院中でも申請できます。認定調査は入院先の病院でも受けられます。

申請から認定まで約30日かかるため、退院に間に合うよう早めに動くことが重要です。

入院中の介護保険申請の方法
・家族が市区町村の窓口で申請(代理申請可能)
・地域包括支援センターに電話して申請代行を依頼
・病院のソーシャルワーカーに手続きのサポートを依頼

介護保険の申請手順を詳しく見る
入院中〜退院決定前

3. 退院後の生活環境を確認する

退院後に自宅に戻る場合、家の中の安全性を確認しておきましょう。

  • 段差はないか(玄関、浴室、トイレ)
  • 手すりは必要か
  • ベッドの高さは適切か(布団からベッドへの変更が必要か)
  • トイレまでの動線に障害物はないか
  • 冷蔵庫の中身、食事の準備はどうするか

退院前にやること(3つ)

退院2〜3週間前

1. ケアマネジャーを決める

介護保険の認定を受けたら(または申請中であれば暫定で)、ケアマネジャーを選びます。ケアマネジャーは介護サービスの計画(ケアプラン)を作成し、サービス事業者との調整を行う専門職です。

ケアマネジャーの選び方
・病院のソーシャルワーカーに紹介を依頼する(最も確実)
・地域包括支援センターに相談する
・市区町村の窓口で居宅介護支援事業所の一覧をもらう

ケアマネジャーへの報酬は全額介護保険から支払われるため、利用者の自己負担はありません。
退院1〜2週間前

2. 退院前カンファレンスに参加する

退院が近づくと、病院側が「退院前カンファレンス(退院前の打ち合わせ)」を開催します。参加者は主治医、看護師、ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、本人・家族です。

ここで退院後の生活について具体的に話し合います。不安なことは全てこの場で伝えてください。

  • 退院後の医療ケア(服薬、通院、往診の有無)
  • リハビリの継続方法
  • 日常生活で必要な介助の内容
  • 緊急時の連絡先と対応
退院1週間前

3. 必要な福祉用具の手配

退院後すぐに必要になる福祉用具を、ケアマネジャーと相談して手配します。介護保険で月額レンタルできるものも多くあります。

  • 介護ベッド(電動で背上げ・高さ調整ができるもの)
  • 車いす
  • 歩行器・杖
  • 手すり(取り付け工事は介護保険の住宅改修で対応可能)
  • ポータブルトイレ

退院後の最初の1週間

退院当日〜3日目

1. 訪問介護・訪問看護の開始

ケアプランに基づき、訪問介護(ホームヘルプ)や訪問看護が開始されます。初回は本人の状態確認やサービス内容の打ち合わせが中心です。

困ったことがあればケアマネジャーに連絡してください。サービス内容の調整は随時可能です。

訪問介護ガイドを見る

退院2〜5日目

2. 配食サービスの検討

退院後の食事の準備は大きな課題です。本人が調理できない場合、家族が毎日準備するのも負担がかかります。

自治体の配食サービス(補助あり・安否確認付き)や、民間の宅配弁当を活用しましょう。

配食サービスの選び方
自治体の配食サービス:安価で安否確認付き。ケアマネジャーを通じて申し込み
民間の宅配弁当:食事制限(塩分・糖質・たんぱく質)に対応。すぐに開始可能

お住まいの地域の配食サービスを探す
退院3〜7日目

3. 見守り環境の整備

日中に一人になる時間がある場合、見守りの仕組みを整えましょう。

  • 緊急通報装置(自治体の貸出制度がある場合も)
  • 見守りカメラ・センサー
  • 定期的な電話連絡の仕組み
  • 近隣の方や民生委員への声かけ

見守りサービスの選び方を見る

遠距離介護の場合

親が遠方に住んでいる場合、頻繁に通うことが難しく、不安が大きくなりがちです。以下のポイントを押さえましょう。

遠距離介護で押さえるべきこと

  1. キーパーソンを明確にする:兄弟姉妹がいる場合、誰が主に対応するのか早めに話し合う。役割分担(手続き担当・資金担当・訪問担当)を決めておく
  2. ケアマネジャーとの連絡手段を確保する:電話やメールで定期的に状況を共有してもらう。月1回のモニタリング報告を依頼する
  3. 介護休業・介護休暇制度を確認する:会社の介護休業制度(通算93日)や介護休暇(年5日)を確認。雇用保険から介護休業給付金も支給される
  4. 交通費の軽減策:介護帰省割引(航空各社)の利用を検討。自治体によっては交通費の助成制度がある場合も
遠距離でもできること
・配食サービスの手配(ネットから注文可能)
・見守りカメラの設置
・介護保険の手続き(地域包括支援センターへの電話相談)
・ケアマネジャーとの電話・メールでの連携
・通院の送迎サービスの手配

一人で抱え込まないために

突然の介護は、精神的にも肉体的にも大きな負担です。一人で全てを背負う必要はありません。

頼れる相談先

  1. 地域包括支援センター:介護に関するあらゆる相談の入口。無料で何度でも相談できます
  2. ケアマネジャー:介護サービスの調整だけでなく、家族の不安にも対応してくれます
  3. 病院のソーシャルワーカー:入院中の相談はここが最も頼りになります
  4. 市区町村の介護保険担当窓口:制度や手続きの詳細を教えてくれます
  5. 介護者の会・家族会:同じ立場の方と経験を共有できます。市区町村の社会福祉協議会に問い合わせてください

まとめ:最初の1週間のやることリスト

入院中
1. 病院のソーシャルワーカーに相談
2. 介護保険の申請(入院中でも可能)
3. 退院後の生活環境を確認

退院前
4. ケアマネジャーを決める
5. 退院前カンファレンスに参加
6. 必要な福祉用具を手配

退院後
7. 訪問介護・訪問看護を開始
8. 配食サービスを検討
9. 見守り環境を整備

全てを完璧にやる必要はありません。困ったら地域包括支援センターに電話してください。

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